加賀友禅について 趣味のきもの竹うち

加賀友禅とは

三大友禅(京友禅、加賀友禅、東京友禅(江戸友禅))の一つで、
石川県加賀(金沢)地方で染められる糊置き防染法による文様染です。

現在加賀友禅と呼ばれるものには、手描友禅と板場友禅(型染・加賀小紋)がありますが、おもに手描友禅のことをいいます。
(当店では手描染の作家物だけを「加賀友禅」と呼んでいます。)

作家制度が定着している加賀友禅にあっては、
(協)加賀染振興協会に属し加賀友禅手描技術者登録名簿に
落款登録した作家がつくるものを加賀友禅と呼ぶのが一般的です。

densan_mark01.gif●加賀友禅は昭和50年5月10日 国の「伝統的工芸品」に指定されています。
「伝統的工芸品」指定要綱
(1) 色彩及び図柄は、「加賀五彩」を基調とした絵画調とすること。
(2) 下絵は、「藍花」を用いて描くこと。
(3) 糊置きには、「糸目糊」を用いること。
(4) 黒色に地染をする場合には、伏せのりをしないこと。
(5) 刺繍をする場合には、「加賀刺繍」によること。

加賀友禅の特徴

写実的な草花模様を中心とした柄が多く、写実性を高めるために、白上がりの線の太さに変化があり、虫喰い、ぼかしの技法がよく使われています。

色彩は加賀五彩といわれる藍、臙脂(えんじ)、黄土、草、古代紫を基調とした多彩な色調の作品が多く、色のぼかしは、模様の外側から内側へのぼかし(京友禅はその逆)が多く使われています。
刺繍、箔置きなどはあまり行わないのも特徴です。

加賀友禅が絵画調といわれるのは、手描友禅自体が描きたいものが自由に描ける技法であることと、武家文化の影響によるといわれています。.
京友禅は洗練された構成・デザインに重きが置かれ、加賀友禅では写実的な描写と緻密な彩色が特徴だからともいわれます。



加賀友禅には


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1.加賀染振興協会に登録されたその作家の「落款」
2.伝産協会が発行する伝統証紙(経済産業大臣指定)
3.加賀染振興協会証紙が付いています。

加賀友禅の歴史

加賀友禅以前

加賀友禅の歴史は、室町時代にはすでにあった加賀独特の染め技法「梅染」までさかのぼることができます。
梅染は幹皮などの煎汁と媒染剤による媒染法の無地染めで、回数を重ねることにより、最初の黄色がかった赤色から赤くなり(赤梅染)、さらに繰り返すことにより黒色(黒梅染)に染まります。
江戸時代には吉岡憲法が京都で始めた兼房染(黒染)が加賀に伝えられました。
梅染や兼房染は無地染でしたが、正保年間に始められた「色絵紋」は、定紋の周りを花などの模様で囲むもので、「加賀紋」とも呼ばれこれが加賀友禅の原点といわれています。
梅染・兼房染・色絵紋を総称してお国染めといいます。


加賀友禅の成立

これらの染め技法がほぼ確立した後、宮崎友禅斎の登場により、加賀友禅は大きな発展期を迎えます。
友禅斎は江戸中期に京都から金沢の御用紺屋棟取・太郎田屋に身を寄せ、お国染の意匠の改善や友禅糊の完成など輝かしい加賀友禅の基礎をうちたてました。
この後、加賀藩の熱心な文化奨励策のもとで、加賀友禅は飛躍的な進歩を遂げます。


木村雨山

しかし、加賀友禅が現在のように京友禅と肩を並べるほど有名になったのは、昭和30年(1955)に木村雨山が重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されたことによります。
天才 木村雨山が登場するまでは、加賀友禅は京友禅より格下という見方が一般的で、地元金沢でも富裕な家庭では嫁入り支度の着物などは京都で染めさせていたといわれています。
『木村雨山氏の作品は石川県立美術館に20点以上所蔵されています。』
その後も伝産法に基づく後継者育成事業、品質表示事業などを推進してきた「協同組合 加賀染振興協会」の努力や、毎田仁郎、水野博、矢田博、由水十久をはじめ多くの著名な作家を多数輩出したことにより加賀友禅は金沢の一大産業となり、全国的にその名を知られるようになりました。
しかし、着物ブームの頃には粗製濫造ともいえる作品が大量に作られたり、加賀友禅の著名な作家の図柄を盗用して加賀調と称して製造し、この加賀調を加賀友禅として販売する業者が跡を絶たず、本物の加賀友禅をわざわざ「本加賀」「本加賀友禅」と呼ぶなど変な事態になりました。
呉服不況の現在では「価格訴求」と称して低価格の手抜き商品が全国規模で出回る等の一面もあります。

想い出の加賀友禅作家


木村雨山
(きむら うざん)
明治24年―昭和52年
重要無形文化財保持者
(昭和30年認定)


談議所栄二
(だんぎしょ えいじ)
明治32年―昭和49年


和田与吉
(わだ よきち)


毎田仁郎
(まいだ じろう)
明治39年―平成5年


水野博
(みずの ひろし)


矢田 博
(やた ひろし)
大正8年―昭和61年


藤村加泉
(ふじむら かせん)


能川光陽
(のがわ こうよう)
明治33年―平成8年


成竹登茂男
(なりたけ ともお)
明治36年―平成3年


梶山伸
(かじやま しん)
明治41年―平成9年


初代 由水十久
(ゆうすい とく)
大正2年―昭和63年


村田幸司
(むらた こうじ)
昭和24年-平成5年

友禅の人間国宝

「人間国宝」とは重要無形文化財保持者の通称です。
認定基準では「加賀友禅」「京友禅」「東京友禅」「名古屋友禅」などの別はありません。

上野為二(うえの ためじ)

1955年認定
京友禅の伝統色に加賀友禅の繊細さを加えた作風を伝承。

木村雨山(きむら うざん)

1955年認定
写生による図案をもとに、日本画の技法を駆使して濃淡の色調を巧みに表現。

田畑喜八(たばた きはち)

1955年認定
糸目と堰出技法を駆使し、日本画の筆致と融合した写実風模様を得意とした。

中村勝馬(なかむら かつま)

1955年認定

山田栄一(やまだ えいいち)

1955年認定
楊子糊の技法を生かした作品

森口華弘(もりぐち かこう)

1967年認定
濃淡ぼかし、糸目糊、堰出などの技法に加え、薪糊技法などを駆使して、菊や梅などのモチーフを現代感覚で表現。

山田貢(やまだ みつぎ)

1984年認定

羽田登喜男(はた ときお)

1988年認定
写実的な加賀友禅と華麗な京友禅を融合して、花鳥風月を題材に制作。

田島比呂子(たじま ひろし)

1999年認定
堰出糊や叩き糊に創意を凝らした。

森口邦彦(もりぐち くにひこ)

2007年認定